成章・赤羽根校舎(分校)の廃校を強行決定
       〜地元の反対を押し切った教育委員会会議

 県教委による赤羽根校舎の募集停止の提案と、PTA前会長による「赤羽根校舎存続に関する請願」が行われるということで、9月5日(金)の教育委員会会議を傍聴しました。
 会議では最初に請願が行われました。その中では入学生の多くが、中学時代の成績不振、不登校、問題行動などで進学が困難だったり、中途退学生だったりと様々な問題を抱えながらも、少人数教育によって成長し卒業していく姿が、具体的な例を挙げて述べられました。また、卒業生の多くが地元企業に就職して地域を担っていること、渥美郡内の7中学校3年生のアンケート調査で「赤羽根校舎の存続は必要」との回答が80.5%を占めた事等を挙げ、校舎の存続が訴えられました。
 その後、「校舎の募集停止基準(平成14年度以降2年連続して、第1学年における入学者数が20人未満となったか地元中学校からの入学者数が入学者数の2分の1未満となった場合)に該当する」として、『愛知県立成章高校赤羽根校舎の募集停止について』が提案されました。入学生は募集定員一杯の40名だが、赤羽根中学校卒業生の入学割合が平成14年度6名、15年度8名なので募集停止にするというのです。しかし、この30年間を見ても赤羽根中学校からの入学生が過半数を超えたことがありません。一方渥美郡3町の中学校からの入学者はこの30年の平均で87・5%です。関係者にとってみれば「赤羽根校舎つぶしの募集停止基準だ」と怒りがわき起こるのは当然です。
 審議では、4人の教育委員全員が「赤羽根中学校の卒業生の進学先と本郷校舎、稲武校舎との地元中学校出身割合の違いはどうなっているのか」「地元中学生への影響が心配、今後の田原市(8月20日に田原町と赤羽根町が合併して成立)の進学の受け皿はどうなるのか」「募集の発表は例年11月だが、なぜこの時期に決めるのか」「計画を進める上で地元への説明は不可欠だとしてあったがどうやったのか」「『地元』と言ったときの受け取り方が違うのではないか』などと発言しました。これは教育委員会会議では大変珍しいことなのだそうです。
 しかし、結果的に、採決では全員賛成で議案は可決され、赤羽根校舎の募集停止が決定されてしまいました。また、請願についても「基準を理解してもらえるように努力すべき」との意見が出されましたが、採択賛成の挙手はなく不採択になりました。
 PTA前会長は、請願の最後に「本来であれば、本日この場で決議され、決定する事項が各市町村の学校関係者に事前にあたかも決定されたように報告されていることがとても残念でなりません」と付け加えました。これは「はじめに結論ありき」の教育委員会会議に対する精一杯の怒りの表現だったと思います。
 請願を聞いていて、赤羽根校舎は定時制と大変似ていると感じました。そして少人数であたたかい学校を「経済効率」の論理で切り捨てようとしている県教委の姿勢に改めて怒りが湧いてきて、校舎(分校)や夜間定時制を含む高校の統廃合をさせないための行動をさらに強める必要性があると感じました。

「県立高等学校再串整備基本計画」の経過と現状について
                  2003.8 愛知県高等学校教職員組合

◇これまでの経過(*以下は愛高教のとりくみです)

1999年8月 県立高等学校適正規模等検討会議の設置
          県内2カ所で行われた検討会議によるフォーラム開催
  *検討会議での意見陳述及び傍聴
  *フォーラムヘの参加
2001年3月 検討会議最終報告
       8月 「県立高等学校再編整備基本計画」発表
           県民意見提出制度(パブリックコメント)に約230の意見
           ほとんどが反対→計画決定の延期
    *9月以降、校舎所在地の町村教委訪問。
    *4校舎の存続を求める請願を県議会に提出。県議会文教委員会で意見陳述。
  *「再編計画」について対県交渉
    11月 再編計画、教育委員会会議で正式決定
  *「再編計画の決定の留保を求める請願」を教育委員会会議に提出。
2002年2月
  *県内4カ所で4週連続シンポ。(半田市・知多郡内で8万枚の新聞折り込み)
  *県議会に請願署名約9000筆を提出。
     3月 文教委員会で県教委、2002年度中の統廃合対象校の発表断念と答弁。
       「多数の意見書が提出されるなど、地元の理解か得られていない」
     6月 教育委員会会議で「前期実施計画」の決定
        校舎の廃校方針
        名古屋市内夜間定時制の統合が中心
        高枚の統廃合対象校の発表をきらに延期→「2003年度早々に」と答弁
        教育委員より地元への説明を求必る声かあいついで出される。
2003年6月 県内5カ所で高校の校長、同窓会代表、PTA代表に対する
                     説明会を実施。
       「7月あるいは8月に学校名を発表する」と説明。
     8月 稲武町においては、初めて保護者対象の説明会実施。
        地元の声に対し、「決定済み」と県教委。
     9月 「赤羽根校舎の募集停止」について教育委員会会議で決定。

◇経過における間鹿点

・「適正規模等検討会議」の名称が象徴するように、当初から統廃合を前提。
   *検討の視点に「第3次行革の趣旨を踏まえる」と明記。
   *「魅力と痛力ある県立高等学校づくり」を趣旨としながら、
     入試制度については、当初から除外。施設設備についても、ほとんと触れず。
・適正規模を6〜8学級とし、それを全県一律にあてはめ、地域の実情を無視。
   *全国的には4〜8学級が一般的。統廃合数をもとに適正規模を設定。
    しかも、基準を全県一律に適用。例外は農業校と過疎地域の郡部のみ。
    その郡部においても、郡に1校は存続させるとするものの、南設楽郡で
    は作手高校・鳳来寺高校のいづれかの廃校を予定。
    (両郡の総面積は名古屋市以上)
・「学級定員を少人数化する方向が望ましい」と述べながら、40人学級を基準。
   *30人学級の実現は、知多地域では制約。
・形式的な意見表明の場を提供しながら、結論部分は事務局の意向で決定。
   *教育委員会会議における要望や県議会ての意見を受け、今年度初めて
    説明会を実施。しかし、県教委の方針説明に終始し、要望には「決定済み」
    を繰り返す。
・「引き続き地元の方々の意見なども参考にしながら」という文言を追加しながら、
  地元議会の意見書や署名を事実上無視。
   *すべて決定してからの説明会。住民や広く一般の保護者への説明は初めて。
   *「気持ちは理解するが決定を変えない」と、稲武での説明会で回答。

◇市町村議会における地元高校の存続を求める意見書の採択状況

2001年9月議会  鳳来町 作手村
      12月議会  常滑市 南知多町 美浜町 東浦町 武豊町
                 佐屋町 平和町  佐織町 十四山村
                 阿久比町 稲武町 東栄町 
2002年3月議会  設楽町 半田市 知多市
                 祖父江町 稲沢市 津島市 弥富町 飛島村 尾西市
       6月議会  大府市 木曽川町 美和町
       9月議会  豊根村 富山村 津具村 立田村 八開村
                 蟹江町 七宝町
      12月議会   渥美町 赤羽根町 田原町
       3月議会  一宮市 新城市 東海市
2003年9月議会  尾西市